ボディナミック(Bodynamic)とは、デンマークの心理学者・リズベス・マーカー(Lisbeth Marcher)によって開発された、筋肉の発達に着目した身体発達心理学です。


ボディナミックでは、人の心と身体は密接につながっており、乳幼児期から成長の過程で経験するさまざまな出来事や人との関わりが、心だけでなく身体の発達や筋肉の使い方にも影響を与えると考えます。
私たちは成長の中で、自分を守るために無意識のうちに身体の緊張や姿勢、筋肉の使い方を身につけています。それらは、その時々の環境に適応するための大切な反応ですが、大人になってからもそのパターンが続くことで、人間関係や感情表現、ストレスへの対処に影響を及ぼすことがあります。

このような身体に記憶された発達のプロセスに着目し、その人が本来持っている資源や可能性を活かしながら、より自然で柔軟な心身の状態を育んでいくことを目指します。


ボディナミックの大きな特徴は、筋肉の発達と心理的な発達を関連づけて考えることです。
人は乳幼児期から成長する中で、「つかむ」「押す」「立つ」「歩く」といった身体の発達を経験します。それぞれの発達段階では、身体機能の発達だけでなく、「安心する」「探索する」「自己主張する」「人とつながる」といった心理的な発達課題も同時に育まれていきます。
こうした発達段階と筋肉の働きを研究し、筋肉の反応や身体の使い方を手がかりに、その方がどのような発達課題を経験し、現在どのような心身の状態にあるのかを理解していきます。

目的

ボディナミックは、身体と心を切り離して考えるのではなく、両者を一つのつながりとして理解し、その人らしい成長と回復を支えるための身体発達心理学です。
身体に現れる反応や感覚を手がかりに、自分自身の発達や心の働きを理解し、より自由で柔軟な心身の状態を育んでいくことを目指します。

身体を単なる「器」としてではなく、その人の人生や発達の歩みを映し出す存在として捉えます。
例えば、慢性的な筋肉の緊張や力の入りにくさ、姿勢や動きの特徴などは、その人がこれまで経験してきた環境への適応や対人関係の積み重ねと関係していることがあります。
そのため、身体の反応を「問題」として見るのではなく、その人がこれまで生きてきた証として尊重し、安心できる環境の中で新しい身体の感覚や選択肢を育んでいくことを大切にしています。

※ボディナミックは、利用される方の状態や目的に応じて活用される身体発達心理学です。実施内容は、一人ひとりの状態やご希望に合わせて丁寧に進めます。

人には誰もが、自分自身を支え、回復し、成長していく力があります。
身体の感覚や筋肉の働きを丁寧に理解し、その力を活かしていくことで、自分自身への理解を深め、安心感や自己肯定感、人とのつながりを少しずつ育んでいくことを目指します。

また、一人ひとりの発達の歩みや現在の状態は異なるため、決められた方法を一律に当てはめるのではなく、その方のペースや状態を尊重しながら支援を行うことを大切にしています。

出展:Bodynamic International