フィンランド発、7つの原則に基づく対話的支援
オープンダイアローグは1980年代、フィンランドの西ラップランド地方・トルニオ市にあるケロプダス病院で生まれました。当初は統合失調症発症直後の急性期を対象とした包括的な家族介入モデルとして始まりましたが、現在は、あらゆる精神的危機に対応する普遍的な支援モデルへと発展しました。
依頼を受けてから24時間以内に精神科医・看護師・心理士などからなる専門家チームが患者さんの自宅に伺い、本人や家族、関係者と車座になって「開かれた対話」を行うというものです。対話は患者さんの状態が改善するまで、ほぼ毎日実施されます。
オープンダイアローグにおいて重視されるのは「7つの原則」です。
| Ⅰ immediate help | 即時対応 | 必要に応じてただちに対応する |
| Ⅱ a social networks perspective | 社会的ネットワークの視点をもつ | クライアント、家族、つながりのある人々を皆、ミーティングに招く |
| Ⅲ flexibility and mobility | 柔軟性と機動性 | その時々のニーズに合わせて、どこでも、何にでも、柔軟に対応する |
| Ⅳ team’s responsibility | チームが責任をもつ | 治療チームは必要な支援全体に責任をもってかかわる |
| Ⅴ psychological continuity | 心理的連続性 | クライアントをよく知っている同じ治療チームが、最初からずっと続けて対応する |
| Ⅵ tolerance of uncertainty | 不確実性に耐える | 答えのない不確かな状況に耐える |
| Ⅶ dialogism | 対話主義 | 対話を続けることを目的とし、多様な声に耳を傾け続ける |
出展:Seikkula, J., & Arnkil, T. E. (2006). Dialogical Meetings in Social Networks. Karnac Books.
7つの原則をすべて実践するためには、次の3つの要素が必要です。
- 医療のシステム:即時対応や、柔軟で迅速な支援が可能な体制
- 思想:対等性を重んじること、不確実性に耐えることなど
- 支援の技術:リフレクティングや具体的な対話の進め方など
こうした要素がそろうことで、はじめて本来のオープンダイアローグ実践が可能になります。
訪問看護ハッピーシードも、オープンダイアローグを実践する現場のひとつです。
ご本人の居住空間は、病院よりも「治療者と患者」という関係性が固定化されず、「対等性」を実現しやすい環境といえます。
また、当ステーションでは基本的に2名で訪問に伺っており、より7つの原則に基づいた支援が可能となっています。
